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高松市 歯科 インプラントと審美歯科なら 三谷歯科医院



歯の再生-研究の現状




歯は骨や爪と違って再生する事はありません。
誰もが夢見る歯の再生については、現在のところ研究段階であり、方法は確立されていません。基本的には、間葉系幹細胞という、機能の確立していない生まれたばかりの細胞に、遺伝子情報を与え歯を作ってくという方法が考えられています。
米国のフォーサイス研究所のパム・イェリック氏をはじめとする研究チームは、子豚の「歯蕾」(しらい:歯に分化する潜在能力のある組織)を象牙質とエナメル質でできた歯冠に成長させることに成功し、夢の一端を実現しています。
またヘルシンキ大学とベルリン、京都大学の共同研究でも、哺乳類の幹細胞を使った歯の再生が研究されているようです。マウスの組織のWntシグナル経路を活性化し、臼歯から複数の象牙質、エナメル、歯根を持った通常の新しい歯を作り出すことに成功しています。ただし、形態は単純なコーン型などです。(Proceedings of the National Academy of Sciences (PNAS)掲載)
*Wntシグナル経路:Wntにより惹起される細胞内シグナル伝達のネットワーク。形態形成だけでなく胚発生、細胞増殖,形質転換(癌化)に関連する多くの因子が関与している。




他にも、世界中の各地で様々な研究が行われており、ヒトに対する応用が待たれているのが現状です。歯のような組織は内臓と異なり、移植を行っても歯そのものに対する身体の拒否反応はほとんどないと言われていますので、期待のできる治療法です。
ただ、その大きさなどの形態において、個人のお口の中で治療として使用できるようになるまでには、今後膨大な研究が必要とされるでしょう。

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